自動車保険の等級制度は事故を起こすと財布に厳しい!

自動車保険の知識

|自動車保険の基本的な等級制度を知る
自動車保険の保険料は、車種等によって設定されている料率クラスや、補償の範囲と内容、そして運転者の年齢など様々な要因を基にして契約者ごとに算出されています。

その中に、保険料に大きな影響を与える要因のひとつに「等級」という制度があります。


この「等級」は、ノンフリート等級別料率制度において適用され、契約車両の事故歴によって1等級から20等級まで区分されており、自動車保険はいずれかの等級で契約されています。


等級が20等級に近づくほど割引率が大きく保険料は安くなるのですが、逆に3等級から1等級にかけては保険料が割り増しされる設定
となっています。

初めて自動車を所有した等で、新規に保険に加入する時には「6(S)等級」からスタートします。

但し、すでに別の車で保険に加入しており、2台目の車を取得して新規に自動車保険を契約する場合は、「7(S)等級」からスタートする事ができます。


自動車保険加入後は、等級が上がるほど割引率も高くなり、事故を起こさなかったやノーカウントの場合は次年度に1等級進みます。

しかし、事故が起きて保険を使用した場合は事故1回について、基本的には3等級下がることになります。

例えば、自動車保険の等級が「8等級」の場合、事故が無ければ次年度は「9等級」になり、事故が起きて保険を使用した場合は「5等級」に下がるということです。


仮に新規に加入して、10年間無事故だった場合は16等級に進んで割引率は52%になります。

等級が進んだり下がったりするタイミングは、契約を更新する手続きの時
になります。

なお、代理店型やダイレクト損保、外資系といった会社形態を問わず、保険会社を変更した場合でも等級は引継がれます!が、一部の共済など等級制度が異なる場合は引き継ぐことができない場合も出てきます。

等級引継ぎにおいては、基本的には車検証の内容を加入予定の保険会社に連絡するだけで特別な手続きは必要ありません。

保険会社間の情報交換制度によって、保険会社の間で等級の情報が共有されているので高い等級のままを引き継ぐことができますが、
低い等級をリセットして新たに加入し直すことはできないシステムになっています。

よって、事故を起こしてしまい6等級より3等級に下がってしまった自動車保険を解約して、他社で新たに加入し直しても6等級からスタートできる様にはならないのです。

保険を使う事故が起きた場合でも、全部が3等級ダウンするという事ではなく、落書きや窓ガラスが割れたなどによる保険使用については「1等級ダウン事故」として扱われ、次年度は1等級だけ下がる場合も設定されています。

また、弁護士特約や個人賠償責任特約、ファミリーバイク特約などは保険を使用した場合でも「ノーカウント事故」として等級が下がらない特約や保険もあります。



|参考までに(S)等級と(F)等級とは何のこと?

例えば、6(F)等級とは、前年に契約していた6等級という意味です。

これは、5等級から1等級進んだ6等級や、事故があって9等級から3等級ダウンして6等級になった場合は(F)を付けて表記されます。

対して、6(S)等級は、前年に契約の無い新規加入の6等級を意味しています。


|等級が同じでも保険料に差が出る「事故有」と「事故無」

「ノンフリート等級」では1等級から20等級に区分されますが、更に「事故有等級」と「事故無等級」に細分化されます。

保険の開始日から満期日(更新日)までの間に事故が起こった場合は、事故内容や件数に応じて適用する等級、事故有係数や適用期間が決定されるのです。

保険料の割増し率や割引率は同じ等級の場合でも、事故有り等級なのか事故無し等級かによって大きく保険料が変わってきます。

これは、事故が起きて保険を使った人と事故が起きていない人の「等級が同じ」という理由だけで保険料が変わらないのは、不公平感がある!ということが理由にあります。


例えば、6等級から7年間事故を起こしておらず13等級になった人と、16等級から事故によって13等級に下がった人と保険料が同じなのは納得感がないという考え方が前提になっています。

しかし、視点を変えてみると6等級から7年間事故を起こさず13等級に進んだ場合と、10年間以上事故が無く16等級になった後に事故を起こして13等級になったケースを「事故有」として保険料に差を付けるのは本当に公平で妥当なのでしょうか?

無事故で頑張って来た7年と10年の差は、小さくないと思ってしまいます。


個人的な意見はさて置いて、「事故有」と「事故無」係数が適用になった場合で保険料はどの位違うのでしょうか?

1等級から6F等級までは、事故有でも事故無でも割り増しや割引率は同額になります。

しかし、これが7F等級になると割引率は、事故有りでは20%になり、事故無しの30%と違いが出て来ます。


ちなみに、10等級になると事故有では23%、事故無では45%になって、14等級になると事故有31%、事故無50%になります。

10等級と11等級が、事故有と事故無の差が最大
になっています。

事故有係数には適用期間があります。


適用期間とは「事故有」の係数が適用される残りの年数のことをいいます。

新規契約の事故有係数の適用期間は、3等級ダウンする事故1件について「3年」、1等級ダウンする事故1件について「1年」を加えて、1年が経過するごとに「前年の事故有係数の適用期間」から「1年」を引いて行きます。

事故有係数の適用期間の上限は「6年」に、下限は「0年」となります。


「0年」の場合は、無事故の係数が適用され、「1年」から「6年」の場合は、「事故有」の係数が適用されます。

なお、新規に契約される場合は「0年」となります。


|ノンフリート契約とフリート契約

等級制度は、ノンフリート契約に適用されている保険料の割引や割り増しの制度です。

自動車保険の契約は、「フリート契約」と「ノンフリート契約」の二つに大別
されています。

フリート契約とは、10台以上の車に自動車保険を一括して加入する契約のことを言い、運送会社やタクシー会社などの法人が加入する自動車保険を想定しています。

対してノンフリート契約は、フリートではない契約つまり自動車保険の契約車両が9台以下の、自動車保険契約のことを意味しています。


よって、個人で加入する自動車保険のほとんどは「ノンフリート契約」ということになります。

例えば、個人事業主が事業を拡大させて、所有や使用する自動車を増やした結果10台以上になると、フリート契約に変更しなければなりません。

ここで注意を要するのは、ダイレクト損保(通販型)の自動車保険で、ノンフリート契約をしていた事業主がフリート契約に変更する場合です。


現状では通販型損保はフリート契約が用意されていないので保有車両が10台を超えたら、保険を解約してフリート契約の引き受けが可能な保険会社に移行しなければならないということになります。

|ノンフリートを知る為にフリート契約を知っておきましょう!

無事故を継続することで保険料が安くなって行くのは、フリート契約でもノンフリート契約でも変わりません。

しかし、フリート契約は割引幅がかなり大きく自動車の契約台数によっても若干変わりますが、最大で80%位まで割引を受けられるケースもあります。

ノンフリートだと最も高い等級である20等級でも63%の割引ですから、かなりの差があるということです。


また、契約台数に応じてと条件はありますが、1年間で15%から30%の割引率が進行するのです。

フリート契約のメリットとして、所有する全ての自動車を1枚の保険証券で管理する事が出来る契約方法があります。

フリート契約は車ごとに加入する保険会社が違っても良いのですが、加入する保険会社を1社にまとめることで優遇措置を受けられることがあります。


具体的な優遇措置としては、5%のフリート多数割引が受けられたり、車を増やしたときの通知を月1回にまとめることができたり、自動車の修理時に使う代車での事故も割増料金なしで補償を受けることも可能になります。

また、保険料の分割支払も可能になり、自動車の増減に伴う保険料も日割りで計算してもらうこともできます。

ノンフリート契約は自動車単位の契約なので、自動車1台ごとに契約条件や等級が異なってしまいます。


フリート契約は契約者単位で保険料が決まるので、割引は所有している自動車のすべてに適用されるという利点があります。

フリート契約の保険料は、所有する自動車の台数と全体の損害率が保険料を決める要素になるという事です。

所有する自動車台数が多い場合や、損害率が低くいと保険料が安くなります。

新しく車を増やしたとしてもノンフリート契約のように6等級からスタートしなくても良く、最初から高い割引率が適用されることになります。

但し、所有する車の内たった1台が事故を起こすと、他の車全ての保険料に影響するデメリットもあります。

そして、フリート契約においては年齢条件の設定がありませんので、ノンフリートの全年齢担保よりは保険料が安くなるケースもあります。

その代りですが運転者限定割引などの設定もないので、条件によっては保険料が高くなるという場合も起きる可能性があります。

自動車保険の等級制度を知る事で、保険料を有効にそして納得感をもって支払って欲しい。

フリート契約についてスポットを当ててみましたが、ノンフリート契約にも独自の節約方法はあります。


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