「非接触」による交通事故!過失割合はどうなる・・?!

過失割合と賠償

|非接触事故による損害賠償の請求はどうなる?
衝突した事故の場合は双方の車両損害から、大よその事故状況の解析も可能になりますし、過失割合も「判例タイムズ」の適用や準用により事故解決に向けた進展も図れますので、担当者にとっては「いつもの交通事故」になります。


対して、「非接触事故」の場合は当事者の一方だけ損害が発生しており、いわば相手がいる自損事故の様相を呈していることになります。


事故当事者双方に事故を起こした責任があるのか?それとも一方の単純な自損事故なのか?客観的に判断する材料が無いか、乏しい状況になる場合が多い。


賠償の権利や義務の関係が生じるためには、
事故発生の原因に「因果関係」が有るのか否かが重要になります。


次に、「因果関係」が有ると判断された場合でも、衝突していない事故の「過失割合」はどの様に判断されるのか?も賠償に大きく係わってくるのです。

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|非接触事故による賠償上の争点になるのは「因果関係」!

非接触事故は、相手との衝突を回避した一方は電信柱等に衝突して損害が発生していますが、もう一方は無傷の状態というケースが多いのが特徴のひとつです。

損害が生じていない側は、過失割合に応じて一方的に賠償する義務を負う立場になります。


その状況で、損害が発生していない相手側との協議の中で最初に問題になるのが、事故の当事者であるか否かということです。


他物と衝突して損害が生じた相手車両に対して原因になっていない!という主張です。


百歩譲って、仮に原因の一端があったとした場合でも「過剰回避」ではないのか?!という主張をしてきます。


|回避行動が過剰ではなかったか?!

過剰な反応によって事故が発生した場合は、被害側の回避行動と相手方車両の動向から「因果関係の有無」が問われる事になります。

例えば、損害が生じた側にしてみたら「避けなければ相手方と衝突していた!咄嗟の判断で相手との衝突を避けた為に電柱と衝突してしまった」と主張することになります。


損傷の無い相手側は「優先車両がいたのは見えたので、ブレーキを踏んだので衝突は回避できた!相手もあんなに大袈裟にハンドルを切らなくても、充分に衝突は回避出来た」と言うかも知れません。


どちらの言い分が、事実や実態に近い主張なのか当事者以外には不明です。


ただひとつ言える事は、損害が生じた側の方は「理屈抜きに、相手との衝突や接触を避ける」ことを瞬間に選択したということになるのでしょう。


現実的には、相手との事故を回避できるか否かを一瞬で見極めることになるため、ハンドル操作で避けるべきか?それともブレーキだけで衝突は回避できるのか?は非常に難しい判断になると思います。

頭の中で考えて導き出した判断ではなく、体が危険回避のために瞬間的に反応した結果であることが多い。


回避の行動が果たして正しい判断だったのか否かは、信号機の色と同様に後日検証しても正解を導き出すのは、ほとんど不可能です。


相手が「非接触事故」が生じた原因の一部である事を認めた場合は、相手の過失の範囲において相応の損害賠償を請求することは可能になります。


しかし逆に、相手から「過剰に避けたので衝突した、軽度の回避であれば事故は起こらなかった」と主張された場合は、事故との因果関係を証明する作業が必要になりますが、証明が出来ない場合は損害賠償請求ができない可能性も高くなります。

交通事故において損害賠償請求をする場合には、相手方の行動や行為が被害者に生じた損害と因果関係があることが必要になります。


具体的な例として、自転車と自動車が非接触の事故が起きた場合ですが「自動車が路地から出て来たために衝突を避けて接触していない自転車が転倒した」事を証明できたとしたら、損害賠償請求は可能になるのですが・・?!


しかし、自動車が路地からどの程度出て来たのか?ヘッドランプ部分だけ?ボンネット部分?!なのか、車両が路地から出て来た程度だけでは無く自転車側のタイミングが悪く、たまたまハンドル操作を誤ったのかも知れないし、道路の溝にハンドルを取られたのかも知れない。


自転車が転倒した事実との関係が極めて薄い場合にも因果関係を認めるなら、加害者が負う損害賠償の義務が拡大する懸念が生じて来ることになります。


本当に車両が出て来た事で、自転車が転倒したのかどうかが問題となるのです。


|因果関係あり!の大きなポイントは?!

裁判所は社会通念上、被害者に生じた損害が交通事故によって発生したことが相当と言える「相当因果関係」の範囲の中で、因果関係を認めるという判断をする傾向にある様です。

裁判所の「非接触事故」の因果関係に関する判例は少ないのですが、昭和47年5月30日の自動車と歩行者の「非接触事故」に関して最高裁の判決が因果関係を認めたケースとして知られています。


判旨として「車両の運行が被害者の予測を裏切るような常軌を逸したものであって、歩行者がこれにより危難を避けるべき方法を見失い転倒して受傷するなど、衝突にも比すべき事態によって傷害が生じた場合には、その運行と歩行者の受傷との間に相当因果関係を認めるのが相当である」・・と!


「予測を裏切るような常軌を逸した」とは、具体的にどの様な行動をいうのでしょうか?


例えば、見通しの悪い狭路から広路に車が出る際に、一旦ボンネット先端が覗く程度で停止してから、運転者がゆっくり左右を見通せる場所まで出て来るだろうと思っていたところに、目視出来る状況まで急激にボンネット部分が出て来た場合などが該当するでしょう。


また、赤信号から青信号に変わったので発進させたところに、信号機が変わったばかりの範疇と判断した車両が、通過することありきで赤信号の交差点に進入して来た場合もあります。


但し、「予測を裏切る様な常軌を逸した」との判断は、運転の経験や技術的な力量、年齢や体力等の個人差もあるので、範囲を線引きして特定するのは困難です。

実務的には個々の状況に照らして、瞬間的に
「危難を避けるべき方法を見失う」状況に陥ったと判断が可能ならば「因果関係」有りと解して良いということになるのでしょう。

|非接触事故もうひとつの争点「過失割合」

事故が起きて認定される過失割合は、交差点内の右折と直進車両との事故なのか?直進車両同士の出会い頭事故なのか?等の、双方の車両の動きや状況によって判断されます。

「非接触事故」の過失割合を判断する場合でも、基準となるのは「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」になるのですが、「非接触事故」に関しては裁判例が少なく、通常の交通事故の様に過失割合の基準と言える様な指針はありません。


実務上では「非接触事故」の場合、接触した事故の過失割合を参考にしながら、「事故の発生の原因である不注意の有無や程度は?」を検討して過失割合を導き出すことになります。


当事者双方の保険会社が、どちらに非があるのか、どれだけの割合が妥当なのかを協議して決めることになるのですが・・・。


どんな過失割合が認定されるにしても、損害が発生していない側にとっては一方的な賠償義務だけを負う立場になるために、「勝手な自損事故」や「避けなければ事故は起きなかった」と強く主張される場合も少なくありません。


気持ちとしては、理解出来なくもありませんが、原因があって結果があるのです。


衝突していた可能性もある事より、物理的な衝突を回避出来て損害を最小に止めたことで納得や理解を示すべきと、実損害が生じた側は思うのです。


|衝突事故の過失割合を修正しての準用は正しいのか?!

それでは、保険会社はどの様な理論構成で過失割合を判断しているのでしょうか?

例えとして、相手方車両が狭路から直進して優先道路を横切る際に、一時停止をしていないと思われる状況で優先道路に進入して来た場合。


優先道路を直進して来た車両は、咄嗟に狭路から出て来た劣後車両との衝突を回避したことで、電柱に衝突してしまった。


この事故事例で過失割合を検討してみましょう。


優先道路の走行車両と劣後車両が衝突した場合、基本の過失割合は<優先車両10%:90%劣後車両>になり、一時停止もしなかった場合やブレーキ操作不適切で、更に劣後車に10%加算されて最終的には優先車両の過失は0%も有り得る範囲ということになります。


しかし、この過失割合は車両同士が衝突した際に適用される過失割合になります。


この事故事例の様な「非接触事故」の過失割合は、保険会社間の協議によって「多分」と一応断っておきますが
<優先車両20%:80%劣後車>で解決を図る事になる可能性が高いと思います。


やはりここでも、「因果関係」の有無が大きく影響しています。


「過剰といえる様な回避をしなければ電柱に衝突しなかったのではないか?」と「回避しなかった或いはブレーキングのみで車両間事故は起きなかった?!」という両方の可能性があるからです。


保険会社はその可能性の部分を過失割合の数字として反映させて、賠償や評価のバランスを保てる内容かが一般的な判断基準になります?!


可能性としては確かに、回避しなければ電柱に衝突する事も無かったと思いますし、回避しなくても車両間事故にはならなかったと言えるかも知れません。


しかし、全ては可能性の範囲なのです。


更に、劣後車との衝突を回避した行動が、結果として違う対象物と衝突した事で速度超過及びハンドルやブレーキ操作の不適切さ等も否定できないとして、
「過剰回避」の可能性も考慮することになると思います。


因果関係がある!という可能性で見ると、第一原因者は狭路から出て来た側の車両になります。


いくつかの積み上げた状況や可能性を、基本の過失割合に反映させて、電柱等の他物に衝突した状況を「過剰回避」の可能性もある?!と推定して、損害が生じた車両側に10%を加算し<優先車両20%:80%劣後車>の認定になるのだと思います。


保険会社の担当者間の協議で、一見すると何の確認もせず事務的に「非接触修正なので(過失小の損害を被った車両)10%加算でいいですか?」「了解しました。契約者に説明して返答します」の様な電話での会話が聞こえて来る場合のほとんどが、この理論が根拠になっての協定になるのです。


簡単に言うと
「非接触事故」では、「判例タイムズ」の事故形態による過失割合に「非接触による修正10%」を損害が生じた側の方に加算させて認定しているのが現状です。


この認定内容や判断が正しいのかは不明ですが、説明がつく範囲とは思います。


但し、事故状況が複雑または、双方の当事者の合意が困難な状況にある場合等は、過去の裁判例から類似した事故事例に基づいて認定や主張する事も有ります。


そして当然なのですが、相手との接触や衝突を避けて電柱やガードレール、最悪は歩行者に衝突した結果、電柱やガードレールが破損した損害、歩行者にケガを負わせた場合は「非接触事故」の当事者が認定された過失割合に応じて、当事者性を有する双方の車両が共同不法行為者として損害賠償の責任を負う事になります。

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