事故で軽いケガ!整骨院の費用も保険会社は払ってくれる?!

対人賠償

|ケガが軽傷の場合は病院で治療?それとも整骨院で施術?!
交通事故でケガをしたといえば、首や腰の捻挫や挫傷あるいは打撲という症例が圧倒的に多く、賠償上の受傷レベルとしては軽傷の範囲として区分されます。

打撲や捻挫等の治療は、病院の整形外科か?それとも整骨院が良いのか?


ケガを治すという目的は同じですが、どちらが自分の症状に合っているのか?整骨院に通院した場合、保険会社からの賠償はスムースに受けられるのか?等と判断するにあたって迷われる被害者も少なくありません。

「コツン」と追突されて衝撃が軽かったと感じた交通事故でも、「首が痛い」や「違和感がある」などの症状が現れる場合があります。

「頸椎捻挫」「頸部挫傷」、俗に言う「むち打ち症」は一晩明けた、翌日に症状が出て来るケースが最も多い様です。

「むち打ち症」は簡単にいうと、自動車の追突や衝突などの交通事故によって、首がムチの様にしなって筋組織や筋(すじ)が通常の可動範囲を瞬間的にでも超えたことによって損傷したものといわれています。

「むち打ち症」が厄介なのは、骨折等と違いレントゲン等でも明らかな所見がないことです。



|軽傷であっても病院の診断が絶対に必要!
首に限らず腰等の痛みや違和感等症状が出てきた場合は、まずは病院の「整形外科」を受診して下さい!

交通事故でケガをした場合は、医師に「診断書」を書いてもらう!これは賠償をスムースに受けるために絶対必要な手続きになります。

ケガをしたことを証明する「診断書」が無い場合は、継続した治療費や後遺障害が残存した時の損害賠償を請求する際にも支障をきたす可能性があるからです。

交通事故により、事故当事者がケガをした場合は基本的には「人身事故」扱いになります。

しかし、警察に診断書を提出しなければ「物損事故」扱いのままになってケガの治療や損害賠償が受けられなくなる場合もあります。

また、診断書の提出が遅くなるとケガと交通事故の因果関係が不明なってくるために、警察で受理してもらえない事態も起こります。

交通事故によりケガをした場合の一般的かつ必要な手続きになります。

|警察への届出が「物損扱い」のままケガの対応をする場合

保険会社は加害者側である契約者保護?の観点や、自賠責保険が認めている経緯などもあって、事故当事者の加害者がケガをさせた事を認め被害者側もケガをした事を訴えて病院で受診した場合、警察への診断書提出がない「物損事故」扱いのままでもケガを負った事故、つまり人身事故としての対応を行います。

ただし、全てのケガが物損事故扱いのままで対応や支払いができる訳ではありません。

「軽度のケガ」と認められる交通事故の場合に限定されます。

痛みが強い、または症状が重い等で少しでも仕事や日常生活に支障を感じられる様な場合は、治療期間が中長期に及ぶ可能性もありますし後遺障害が残る可能性も出てくるので、きちんと診断書を提出し「人身事故扱い」として対応することが、被害者だけではなく加害者側にとっても重要と思って頂きたい。

|「診断書」や「後遺障害診断書」の作成は病院のみ!

警察に提出する診断書は、整骨院(含む接骨院、以後整骨院で統一)では作成できません。

また、交通事故でケガを負った場合、病院ではなく整骨院だけに通院するというのは被害者にとっても望ましく無い事態も起こり得ます。


実際に起きた事例になりますが・・。

事故当初の急性期と呼ばれる受傷時から、約2週間の期間に2~3回ほど整形外科に通院。

その後、病院での治療を中止し自宅近くの整骨院に転院した被害者が、半年以上の通院によっても症状が改善せず後遺障害の申請をすることになり、当初通院した整形外科の病院で「後遺障害診断書」の作成を依頼しました。

なお、「後遺障害診断書」も整骨院では作成できません。

病院は治療をしていないので治療経過も不明、残存した症状が交通事故によるものなのか因果関係も証明出来ないとの理由で「後遺障害診断書」の作成は拒否されました。

病院の対応はある意味では当然なのかも知れません。

結果として、被害者は後遺障害の等級申請を断念して傷害のみの賠償を受けて終結になりました。

「診断書」等の公的な書類を作成してもらうことも重要ですが、それ以上に病院でしっかりとケガの状態などを確認することが大切です。

病院では適切な病状の診断、MRIやレントゲンなど必要な検査も受けることで詳細な症状を知ることが出来ます。

また、ケガが完治せずに障害が残ってしまった場合でも、「後遺障害診断書」を作成してもらえるのは当然ですが、認定に必要な画像や他の検査資料もスムースに準備してもらえますので、後遺障害の申請手続きを滞りなく進めることが可能になります。



|整骨院に通院する場合は原則として医師の証明や同意が必要!

交通事故のケガの中で、最も多いのが俗にいう「むち打ち症」です。

「むち打ち症」の場合、整骨院への通院を希望される被害者が多いのも事実です。

しかし、MRIやCT、レントゲン写真などの検査や医学的証明は、病院でなければできません!

交通事故で被った損害を、正しく評価され適切な賠償を受け取るためには、やはり病院の診察が必要となります。

「診断書」の作成や症状の初期診断でも、整形外科病院での診察や診療の必要性は理解頂けたと思います。

一方で、整骨院は柔道整復師が捻挫や打撲に対してマッサージや物理療法等を施します。

交通事故の治療に関して、保険会社としては整骨院のみに通うことは推奨していないませんが、症状によっては施術期間等の条件で被害者と合意できれば病院との併院は了承することになると思います。

ここで、注意が必要です。

例えば、病院の診断書には傷病名が「頸椎捻挫」のみが記載されているが、整骨院の施術証明書には他に頸椎捻挫の施術効果と関連させて仮に「背部挫傷」も記載されて、二部位の処置がされた場合「背部挫傷」の施術費用は認定不可となります。

病院の診断に沿った施術のみが、損害としての認定および賠償の対象
になるということです。


整形外科病院での定期的な診断で症状を確認しながら、整骨院に通院することで「後遺障害」の可能性や心配は軽減するかも知れません。


最終的には病院に通院するのか整骨院を選択するのかは、被害者自信で決めることが出来ます。


保険会社や医師の指示に従わなければならない事はありません!

保険会社が支払いや認定が不可であっても、費やした費用は自己負担する位の気持ちで、自分にとって最良と判断できる治療方法を被害者自身で選択するのは自由です。

しかし、賠償協議を円滑に進めることを考えた場合、保険会社や医師と協議しながら治療方法を選択するのが最良とアドバイスはしたい。

保険会社と協議し、医師の同意を得て通院した場合は、施術の必要性や効果も期待できると判断されたことにより、費用や慰謝料の算定も認められることになるからです。


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