車上荒らしにあった!車両保険や特約で補償されるのか?

自動車保険の知識

|車上荒らしの件数は多い!車両盗難の比ではありません!
自動車の盗難は車両本体とは限りません!車上荒らしもあるのです。

車上荒らしのピークは2002年に約57万件以上発生していましたが、2019年は約5万4千件まで減少し、更に減少傾向にはあります。


これは、防犯カメラの設置台数が増加したことや、防犯対策グッズの性能アップと金額も手ごろになって個人の防犯意識が高まったこと、自動車メーカーがイモビライザー等の装備を推進してきた事が影響していると思われます。


それでも、計算上では毎日約100件以上の車上荒らしが発生している状況にはあるのです。


車上荒らしというと、車内に置いてあるバッグなどが盗られるイメージがあると思いますが、車本体の付属品などが標的になっているケースもあります。


車両本体が盗難されても数日後に発見される場合などもありますが、車載品や付属品が上手にそしてきれいに取り外されて無くなっている事が多い。


つまり、高級車や高額の車両に限らず、大衆車であっても部品取りが目的と思える様な車両盗難もあるのです。


例えば、カーナビやオーディオ、タイヤやホイール、エアコンコンプレッサー、驚いたのはハンドルやメーター類、車載工具そしてシート!盗んでどうするの??と首を傾げたくなる様な部品の果てまで盗難されているケースもありました。

|増えている!ナンバープレートの盗難

厳密には車上荒らしと言えないかも知れませんが、車体の外部に取り付けられている「ナンバープレート」が盗難される割合は増加しており、部品等の盗難の50%近くに迫る勢いにあります。

ナンバープレートの盗難被害にあったら、速やかに警察に盗難届の提出を行う事と再交付の手続きを取らなければなりません。


当然ですが、再交付手数料も必要になりますし手間もかかりホントに面倒です。


ナンバープレートを盗む目的は、犯罪に悪用する以外はありません。


自分が使用していたナンバーが、犯罪に利用されてしまうかもと思うと憂鬱な気持ちになるでしょう。


盗難を避けるために、盗難防止用固定のネジなども販売されていますので活用すべきと思います。


そして、ナンバープレートが盗難されて再交付を受けた場合は、保険会社に新しい番号の連絡が必要になりますので忘れないように連絡して下さい。


|車上荒らしによる車載付属品等の盗難は車両保険で補償されるか?

車載品や付属品が盗難にあった場合でも、車両保険による損害の填補はできるのですが条件があります。

その条件とは、車両本体にボルトやネジ類で固定されており、工具を使用しないと取り外す事が困難な装備であること。


そして、標準工具やスペアタイヤ等、車両に装備されているのが通常であること。


この条件から、ダッシュボードに取り付けられている様な固定されているカーナビやオーディオなどは車両保険による損害填補の対象になります。


しかし、工具なしで簡単に脱着できる様な車載品、最近では両面テープでフロントに貼り付けているだけのドライブレコーダーや、車内のシートの上やトランクに入れてある様なカバン、ゴルフ道具など、車外で使用することが目的となる様な物品なども、車両保険の対象外になり填補されません。


車上荒らしで車室内に置いていた物品だけが盗難された場合は、車両本体が盗難されてないので車両保険では補償されないという事になります。

車両保険では補償されない車載品の損害について、保険会社によって名称は異なりますが、「身の回り品特約」という名称や「車両積載動産特約」や「車内携行品補償特約」などを選択することにより、ある程度はカバーできるという事になってはいます。


これらの特約は、事故や盗難によって車室内に積載していた物品が損害を受けた場合、ほとんどの保険会社では1事故について30万円の補償が受けられる内容になっています。


そして大きなポイントは、車上荒らしでも対象になるのか?、車両本体が盗難にあった時に限っての補償対象なのか?です。


概して、既存の保険会社では車上荒らしの対象外として設定されていますが、外資系損保や新規参入の損保は補償の対象としている様です・・?!


保険会社によって補償の範囲に若干の相違いがあるので、個別に確認が必要になります。


逆に自動車保険には盗難された場合、その補償を外す事で保険料が節約できる「盗難対象外特約」を選択することも出来ます。


この特約を付帯している場合は、当然ながら盗難による損害は補償されませんので「身の回り品特約」も車両盗難に起因した損害補償を受けることは出来ません。


「身の回り品特約」等は、車室内に有った全ての物品の損害を補償してくれる特約では有りません。


補償対象とされている物品としては、身に着ける衣類や、バッグ、靴、カメラや楽器、スポーツ関連用品(ゴルフ関連や、スキー用品等)、旅券や運転免許証等があります。


対象外の物品として身近なところでは、通貨(お金)や株券等の有価証券、切手、預貯金証書関連(預金通帳やキャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード等含む)、貴金属や宝石、書画、骨董。


そして、携帯式通信機器などの携帯電話関連や、ノートPCやタブレットなど携帯式電子事務機器、更に動物や植物等の生物は対象外になります。


一部の損保では携帯電話等の盗難も対象にしていますので、その他詳細は約款などで確認頂きたい。


|盗難された付属装備品や車載品の保険金額はどの様に算定する?

カーナビやオーディオなどの装備品等の盗難は、車両本体の盗難ではないので全損認定になりません。

車上荒らしの補償金額は損害が発生した時点での時価に基づいて認定される事になります。


損害額を認定するための基本的な情報は購入時期と購入額です。


実際には盗難された装備品の種類や商品レベル、購入した時期や店そして金額について証明できないケースが多い。


中には金額も購入時期も店も、全てが不明!とういう申告がありますが、全て不明はあり得ません。


盗難された事自体の認定が困難と判断するので、損害の認定額は基本的に0円が相当と判断される事になるでしょう。


例として、仮にダッシュボードの真ん中に大きな穴が空いていて「ここに高価なナビシステムを取り付けていました」と申告されても、無くなってしまっているので取り付けられていた事を証明出来ません。


疑ってしまうと、最初から設置していなかったのかも知れませんし、外して何処かに隠しているのかも知れません。


申告通りに、本当に取り付けられていたとしても高価なナビでは無く一般的な普及品かも知れないのです。


認定したくても、その手掛かりが全く無い場合は無理ということになります。


しかし、ここから保険会社が辛いところで、盗難による保険金を請求するのは契約者や被保険者!つまり、保険会社の客にあたる人。


場合によっては、代理店からも「何とかして欲しい」と責められるケースも無くはないのです。


いつ頃、どこで、いくら位の金額で購入したのか全ての記憶が不明はあり得ないのですが、苦肉の策として車両購入時の年次に最も売れた商品の金額や平均的な金額などを基準にして、減価償却をした金額で認定する場合もあり得る!と言っておきましょう。


認定の根拠としてはギリギリと思いますが、それでも盗難された付属品は本当に設置されていたのか?の根本の部分はグレーのまま問題が残ることになります。


結果としては、保険会社と被害者両方の意に沿わない認定になる場合が多いのですが、証明が困難や購入経緯などにも記憶がない場合でも、購入した時の領収書や保証書、取り扱い説明書などが有ると保険会社との協議もスムースに進めることが出来ます。


盗難など万が一の事態も考慮して、保証期限が切れていたとしても保証書などは大切に保管されることをお勧めしたいです。


契約の際に「身の回り品特約」等に免責額を設定した場合は、その免責金額が適用されることになります。


例えば、損害額8万円で免責の設定額が5万円の場合であれば、支払われる保険金は3万円になるということです。


車上荒らしにあってからの対応を検討する以上に、盗難防止に可能な限りの最善策を立てて頂きたい。

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