|後遺障害等級「異議申立て」を行う判断は?
後遺障害が低い等級で認定された、或いは非該当になって不満ではあるが、やむなしと諦めて保険会社と示談協議を始めるのか?・・それとも「異議申立て」を行うのか?迷った場合、判断する目安はあるのでしょうか?
「異議申立て」する事を決めた場合は、最善の準備をして再申請に臨まなければなりません。
「異議申し立て」によって認定された等級が変更される可能性は低い!そして、時間的にも心的にも結構な負担になるの事を理解した上で臨んで欲しい。
どの様に準備したらよいのか?については正解などありません!が基本的な方策は当然として、やれることは全てやる!ということです。
|「異議申立て」をするか?やめるのか?
後遺障害の等級申請をした認定結果が、等級に該当しても非該当であっても申請のために提出した書類は全て返却されてきます。
任意保険会社が実施した「事前認定」によって申請された場合は任意保険会社へ、被害者請求で申請した場合は自賠責保険会社に戻されます。
返却された書類の内容を精査することから「異議申立て」をするか否かの判断がスタートすることになり、次の一手があるのかを探さなければなりません。
保険会社に依頼して一件書類のコピーをもらうか、または貸出を受ける必要が有るのですが、治療期間が中長期に及んだ場合など全ての書類をコピーしてもらい貸出を依頼するのは困難な場合もあります。
しかし、最低でも「診断書」や「診療報酬明細書」、「後遺障害診断書」は必須書類として必要になります。
返却された一件書類の内容を確認する基本的なチェックポイントは3つ。
|遺障害診断書の内容に不備や不足がないかを確認!
後遺障害診断書の記載内容に不備や不足の項目が無いかを確認すること。
被害者の主訴や症状等について、的確に記載されているか?漏れはないか?
医師の中には、後遺障害等級申請に使用する「後遺障害診断書」の作成に慣れていない医師もいますし、治療経過から医師が経験則で判断して、記載されていない可能性もない訳ではありません。
本来なら、後遺障害診断書が作成されて保険会社に提出する前に、被害者は内容を確認するべきなのですが意外と確認しないで提出されていることも多いのです。
初回の時に診断書の内容について確認が済んでおり、特段の問題は無い!と判断した場合は不要な項目になりますが、その後に新たな症状が出てきた状況や既存の症状が強くなった等の変化があれば、後遺障害診断書の補記や訂正、程度によっては再作成が必要になるかも知れません。
それ以外は、提出された診断書や添付資料、レントゲン画像等で認定調査が進められるので、認定のためにあらためて医師が診察する事はありません。
したがって、後遺障害診断書の記載内容が不十分または不備がある場合、残存した症状が正確に反映されていない可能性はあるということです。
|診断書等を補完する添付資料に不足がないかを確認!
認定手続きに提出した資料や画像が不足している場合もあります。
任意保険会社が行う「事前認定」、つまり加害者側の保険会社を通じて手続きを行った場合に、形式的な資料しか提出されず適正な認定がされない!と思われている事もある様ですが、認定機関である調査事務所は提出されていない必要な資料や画像は見逃しません!
後遺障害診断書と共に提出される、月単位で作成された「診断書」や「診療報酬明細書」には実施した検査の種類や、撮影された画像(X-P、MRI、CT・・等)や撮影月日全て記載されています。
当然ですが、調査事務所は入念にチェックしますので必要と判断された資料の添付も確認することになります。
仮に、保険会社が一部の画像や資料を見逃して調査事務所に書類を送り込んだ場合でも、追加資料取り付け指示が出されますし、状況によっては調査事務所が作成した「医療照会文」とその回答書の取り付け指示が出される場合もある位です。
よって、被害者が添付資料の確認をするのは、病院で作成された「診断書」や「診療報酬明細書」に抜け落ちている検査や画像撮影は無いか?また、診察内容等を思い出して、診断内容の記載漏れが無いかをチェックする事で良いと思います。
不足や抜け落ちている内容がある場合は、保険会社に伝えるか医療機関に確認して修正や補記を依頼することも必要になる場合もあります。
|必要と判断される検査が実施されているかの確認!
後遺障害の等級認定において必要と思われる検査等が行われていない場合があります。
再度きちんと検査を行って、その検査結果が認定される基準に達していた場合は、等級が認定されるか高い等級に変更になる可能性も出て来るのですが・・・。
但し、必要と思われる検査とはどの様な検査なのか?この判断が非常に難しい!
治療をしながら症状の経過を診てきた医師は、必要と判断した検査は全て実施し、その上で後遺障害診断書を作成しているのが普通です。
つまり、実施した検査以外は必要がないと判断していることになります。
この部分について、医師の判断を差し置いて被害者自身が必要な検査を特定するのは、知識的にもほとんど不可能と言っていいと思います。
それでは、どうするのか?
結論から言うと、セカンドオピニオン!
治療経過が月毎に記載されている「診断書」と「診療報酬明細書」を用意して、別の医療機関の医師に診断書等の内容を確認してもらい、残っている症状や主訴を的確に伝えることで、必要な検査や視点を変えた所見が出て来る可能性は無い!とはいえないでしょう?!
付け加えるなら、症状固定まで治療した医師から紹介状を作成してもらえるなら最良と思います。
新たな検査を実施して、状態によっては医師の意見書を作成してもらえるならば、後遺障害の等級が認定される或いは高い等級に変更される可能性は高くなるかも知れません。
しかし、逆に新たな検査の必要性がない等の結論を出された場合再認定は厳しいと認識すべきでしょう。
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|異議申し立てをする場合の手続きと流れは?
「異議申立て」を行う場合の手順や手続きの流れについて、どの様に進んでいくのでしょうか?
|検査を含めた必要な資料の収集と異議申立書の作成
最初に提出した資料や検査内容について不備や不足があった場合は、資料を揃えなくてはなりません。
後遺障害診断書の記載事項に問題があったのなら追記や訂正が必要になりますし、必要な検査が追加された場合、検査結果などによっては新しく後遺障害診断書を作成し直す必要が出てくるかもしれません。
また、検査の測定方法に誤りがあって測定数値が違ったケースを経験した事も有りますので、必要な検査は実施済みであっても検査方法や測定数値について念のために再確認した方がよい場合もあります。
可能性のある事は全てやっておく!という意味では、医師に意見書を作成してもらう事や、神経症状に限らず一緒に生活している家族等が被害者の生活状況や日常の症状について、文書にした「日常生活状況報告書」の形式で添付することも必要と思います。
そして、申請書の表題表紙である「異議申立書」を作成する事になります。
申立書の作成方法について特別な決まりはありませんので、主張や状態について型式や書式にとらわれずに作成する事が大切です。
保険会社に依頼すると申立書の用紙が送付されて来るので、その用紙を利用して作成された方が分かり易くていいと思います。
|「申立書」を作成する場合の注意点や記載事項について
「申立書」には、まだ痛みが残っているので初回の等級認定の内容に不服である!などの理由のみでは、異議申立てによって認定が変更されることは期待できません。
「異議申立て」は、最初の後遺障害認定に対して妥当ではない!という不服を申立てるという意味なので、最初の認定結果に対して破棄を求めてその理由を具体的に指摘し、その上で適正な後遺障害等級の認定を求めるという内容が必要なのです。
よって、「異議申立書」に記載される内容としては、最初の申請の認定結果に対して不合理であることや問題点について、根拠を主張することになります。
最初の等級認定について、考慮されていない症状や事実などを明確にした上で認定の不備や不足部分を具体的に主張することが重要なのです。
その上で、「異議申立ての趣旨」として被害者が主張する後遺障害の認定基準を具体的に指摘し、残存した症状が認定されるべき基準を満たすことで、該当する等級を申し立てる事になります。
また、「異議申立ての理由」としては、根拠となる診断書や画像または検査結果の内容に基づいた客観的事実を引用しながら、被害者の残存している症状や生活への影響等を記載して行くことです。
この「異議申立ての理由」に記載されている内容に基づいて審査が行われることになるので、とても重要な部分になります。
「異議申立ての理由」が、客観的資料を根拠にした主張でなおかつ妥当性が高ければ、最初の等級認定の結果を覆す可能性は高くなるはずです。
後遺障害の認定等級について「異議申立て」をする場合は、申立の内容について医学的な根拠を持たせて、具体的な主張を裏付ける資料を如何に準備することが出来るのか?!が重要!
最初に送り込んだ等級申請書類の不備や不足分はなく、大きくは変わらない内容で異議申し立てをしなければならない状況であるなら、異議申し立ては時間と労力の無駄という結論が見えているといってもいいでしょう。
|異議申立書の提出をすると調査事務所での審査が開始されます
作成された「異議申立書」は他の必要な一件書類と共に、後遺障害等級申請の時と同じ経由で自賠責保険調査事務所に提出されます。
「異議申立書」が提出されると調査事務所で審査が行われるのですが、通常では2ヶ月前後~3ヶ月の期間で結果が判明するのですが、申請内容によっては5ヶ月以上の期間を要する場合もあります。
|後遺障害の異議申立てに関する保険会社のスタンスは?
相応の治療期間が経過して症状の改善が見られない状態になったと判断され、医師の見解も「症状固定で医学的には問題は無い」との経緯を経て被害者も了解した場合、基本的には全事案「後遺障害の事前認定」を実施する方向で保険会社は動きます。
しかし、中には「面倒で時間がかかるのは嫌だ」とか「この位の症状なら、等級に該当しないと思うので時間の無駄」等々で、後遺障害の等級申請を希望しない被害者もいます。
等級申請をしない被害者に対して、損保担当者は手続きの手間や時間がかからない分については「ラッキー」と思うのは確かにありますが、「支払が少なくて済む!ラッキー」と思うのかというと決してそうでは有りません。
例えば、神経症状が残存して14級が認定された場合は、自賠責保険金75万円を加算する事で示談が成立しやすくなる印象を持っている担当者は少なくないからです。
相応の治療期間を要したケガの場合は、言葉は適切ではありませんが「示談金額の見栄え」というものが有ります。
賠償の請求額と認定額が大幅に異なる場合は別にしても、後遺障害の等級に関して保険会社、特に担当者レベルでは「非該当」をそれ程歓迎してはいません。
実は担当者も事案によっては、後遺障害等級の事前認定の際に、「等級に該当する」などの主旨で「担当者としての意見書」を作成して添付する場合も有るのです。
しかし、こと「後遺障害等級の異議申立」については、被害者が思う様な保険会社の協力は得られないと感じることが多い様です。
被害者からの依頼に対して協力はするのですが、積極的な対応をしない理由として「異議申し立て」による後遺障害等級の変更が非常に困難で、時間的にも労力的にも希望する様な結論が出される可能性が経験則上低いことを知っているからです。
【バイクル】
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