保険会社に事故報告をした後の保険会社の対応を知る!

保険会社の対応

|事故受付後の担当事故センターの初動
交通事故の報告を受けた後、現場の事故対応センターではどんな対応をしているのか?

交通事故の受付は、365日24時間体制で本社や本店等の専門部署で報告を受付けています。

受け付けた事故対応は、受け付けた部署で応急的な対応はしますが、緊急性がある状況や時間的にも担当センターでは対応が不可能な場合など、限定的なのが一般的です。

通常は、本社や本店等の受付部署からの情報を、相対する地域などの担当センターで受付けた時から初動対応が開始されます。

現地の対応センターでは事故状況や報告内容から、車のみの物損害だけなのか、ケガをしている人がいるのかを確認します。

物損害のみの場合は、物損担当者が一人で示談まで対応しますが、契約者側や相手方にケガをしている人がいる場合は人身担当者が増えて、それぞれの担当者が連携して対応するのが一般的です。

事故車両がマイクロバス等で、ケガをした方が複数人いる場合は人身担当者を増やすことにはならず、一人の担当者がケガをされた方全員の対応をするのが一般的です。

また、会社や対応センターの事情や事案特性によっては物損と対人共にひとつの事故を一人の担当者で対応する場合もあります。

|事故当事者への対応は?

事故の報告書を確認して、対人担当者と物損担当者が打ち合わせをしてどちらかが、被保険者や契約者等に初動連絡を入れます。

事故の受付報告等から、事故場所、事故日時、事故状況、警察届け出の有無、相手方情報(住所、車の所有者、加入の保険会社等)の基本的な事故状況を確認します。

この段階で第一次的な過失割合について見解を伝えて、契約者の意向を確認する場合もあります。


相手方の基本情報と事故現場での会話内容等や、事故に関する相手が考えている過失認識もこの段階で再度確認することもあります。


相手方の保険会社や連絡先、被保険者側の車両修理予定の工場及び入庫させる予定日等を確認して物損の初動は終了しますが、個人情報の扱いや保険金請求書の取り付け説明等の基本対応は当然なので省略します。


|物損事故担当者の主な初動対応

物損事故の場合は基本的に、相手方の運転手や車両保有者等と直接連絡を取ることはほとんど有りませんが、無過失を主張して自分の加入している保険会社に事故報告をしていない場合は、担当者は加入の保険会社に報告をする様に促します。

つまり、相手方に過失があることの根拠等を説明して、相手方が加入している保険会社に事故報告でなくても良いので、相談する様に進言するということです。


多少の時間はかかりますが90%以上の確率で、後日相手方の保険会社から連絡が入ってきます。


物損担当者は、相手方保険会社の担当者と損害の確認や認定作業の方法や手順等について協議します。


どちらの当事者も車両保険の付保ある場合は、双方の保険会社はそれぞれの契約者側の車両損害を確認し、一方や双方共に車両保険の付保ない場合は、両方の保険会社は相手方の対物にあたる車両(クロス立ち合い等と言います)の損害確認をすることになります。


車両損害を確認できると、事故状況の報告内容や過失認識の違いなど解決に向けた見解のすり合わせや争点などを確認します。


初動の範囲ではありませんが、過失割合について保険会社双方が了承した場合は、それぞれの契約者と協議や説明を実施して了解を得られた場合は示談手続きを進めることになります。


納得もらえない場合は理由や根拠を示して再度、相手保険会社と協議することになりますが、事故状況の食い違いや双方の主張に大きな隔たりがある場合は、事故現場で4者面談を実施することもあります。


過失割合が合意に至って、双方の修理金額等損害が確定して、示談手続きに入ります。


示談書は一般的には過失が大きい方の側が片印を取り付けて、相手方保険会社にもう片方の署名と印鑑の取り付け依頼をすることになります。


一定の条件のもと早期解決、早期支払いなど契約者サービスの一環として電話による示談が可能になり、その割合はどんどん増加しています。


参考までに解決に向けた流れでした。


|対人担当者の対応は更にもうひと手間が必要

車の損害は時間の経過によって拡大することはありませんが、ケガは時間の経過と共に治療費や休業損害、慰謝料等の損害が拡大する可能性があります。


当者は最初の対応でしっかり情報を入手することが重要と思っています。


最初に、被保険者(契約者側の事故の当事者)に連絡を入れ、事故現場で被害者との会話内容や、身体の状態や様子などを聴き取り今後の対応等に関する意向も確認しておきます。


被保険者との協議の後、被害者に連絡します。


名前や生年月日等基本情報を確認した後、最も重要視するのはケガの部位や主訴(どの様な症状があるのかなど)。


どの部位を、どの様な状態によって、どの程度痛めたのか?


痛みの種類(ズキンズキンと痛むのか、鈍痛か?等)、痛みはいつから?(事故直後?寝て起きた翌日から?)等々を最初に確認しておきます。


大まかな受傷状態や程度がわかる様な質問方法をとります。


数日が経過すると、当初の部位や主訴が変わっていることも、たま~に有ります。(苦笑)

次に重要なのは、過去の自動車事故歴、既に負っているケガや病気(既往症)の症状、現状での障害(既存障害)の有無を自己申告を含めて確認させてもらうことになります。


そして、治療する予定の医療機関、仕事内容や休業実態、今後の休業の可能性について医師から聞いたことや被害者本人が判断している見込み、通院手段や経路等も聴取確認します。


治療内容や通院費、休業損害の認定などに関して認められない可能性の損害請求が出て来ると判断した場合は、早めの段階で認定不可の可能性を知らせます。

被害者によっては、「ケガをしてこれから治療する状況の今、言うべき事ではないだろう!」と主張される方もいますが、認められない可能性がある請求項目を早期に知らせることは、無用なトラブルを回避するのに必要と担当者は認識しています。


被害者が負担してから後に、「それは認められません」と通告した時に「そんな大切な事、なぜ最初に教えてくれなかったのか!」と抗議される状況を避けるのは当然と思うからです。


先でも、後からでも、どちらにしても厳しい協議展開になるなら、実害が少なく済む方を選択する事になるのが一般的でしょう。


|対人担当者が初動で送付する「同意書」とは?

対人担当者は、「休業損害証明書」や「振込口座指定書」「通院交通費明細書」、一括払い制度を含む自賠責保険の説明に関する書類など、必要書類の送付を案内しますが重要なのは「同意書」です。

「同意書」があることで被害者のケガの状態や治療経過、治療の内容や終了時期等を特定するために、文書による医療照会や医師との面談照会が可能になります。


しかし、それ以上に
「同意書」は医療機関に被害者の治療費を支払うために必須の書類なのです。

他の書類と違い早期の返送を依頼するのですが、中には「同意書」作成を拒否し返送頂けない被害者もおりますが、医療機関と最終的には被害者本人が困ることになります!


医療機関が患者である被害者から治療費を受け取らず、一括して治療費を保険会社に請求するためには、診断書や診療報酬明細書による請求書を保険会社に提出しなければなりません。


ところが、「同意書」が作成されていない場合は保険会社に請求書を提出する事が出来ません。


医療機関の中には、被害者が保険会社に「同意書」を返送しない場合は被害者に日々の治療費をその都度、窓口で支払う様に通告された被害者もいました。


また、被害者に他の病院への転医を勧めた医療機関もありました。


必要書類は速やかに提出頂くのが、保険金支払い等をスムースに進めるために必要な事と被害者自身が認識される事も大切です。


個人情報保護法の関係で、医療機関も「同意書」の書類を必要にしていますので、保険会社は被害者から取り付けた「同意書」のコピーや本紙を医療機関に提出するのが必須になっています。


被害者から聴取した、通院予定の医療機関に連絡を入れて「一括払い」(保険会社が自賠責保険と任意保険を合わせて治療費を支払う=売掛の依頼)対応のお願いするのですが、「同意書」を医療機関に提出することが「一括払い制度」の大前提なのです。


最後に被保険者に報告の連絡を入れて、被害者への定期的な見舞い等の依頼など打ち合わせをして、初動対応が終了します。


|被害者や相手方が保険会社との協議を拒否した場合
車物担当者や対人担当者が、相手方や被害者に初動連絡を入れた際に、「保険会社と協議する気持ちはない!今後は加害者と直接、交渉や協議をして行きたい」と保険会社との協議や交渉を拒否される場合が有ります。

保険会社と契約者(加害者側)は民事上の契約で、事故にあった場合に示談代行と契約者が負う損害賠償金を代わって支払うという関係にあります。

これは、加害者と保険会社との契約なので、被害者や相手方にとっては何の関係も無く保険会社と協議することを強制されることにはなりません。

よって、保険会社との協議を拒否することは可能なので、被害者や相手方は事故当事者としか協議しないと言う選択も有り得ます。

保険会社は協議や示談交渉を拒否された場合は引き下がるしかないのです。

加害者側(契約者)は保険会社と対策を協議するのですが、加害者本人が直接相手と交渉をするか弁護士に依頼するかのどちらかしか方法は無くなります。

結論としては、ほぼ全部の契約者は弁護士に依頼するとの結論に至ることになります。


つまり、被害者や相手方は保険会社を窓口としての協議を拒否する選択をした場合は、結果的には弁護士との協議を選んだことになるのです。

費用は、「弁護士費用特約」ではなく、解決のための援助費用の名目で保険会社によっては「保険金」か「付帯費」の費目で支払うことになります。

被害者や相手方は、保険会社との協議は拒否できても、法律上認められた代理人である弁護士との協議や交渉は拒否出来ません。

保険会社は被害者や相手方に連絡を入れて、今後は弁護士と協議する状況になることを通知するだけになります。


被害者や相手方は対応策として弁護士と直接協議するか、被害者側も弁護士に委任するかの選択になります。

因みに、この場合は加害者側の利益の代理人になるので、被害者への損害賠償金の認定基準は弁護士基準を採用しないのが一般的です。


以上が交渉や協議を開始する、初動の主な手順や手続きになります。

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